顕性甲状腺機能異常と不妊・流産
顕性(明らかな甲状腺ホルモンの異常を示している場合)の甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症では、不妊症との関係や流産率の上昇が報告されており、妊娠を希望している方は甲状腺機能を良好に調節することが大切です。
潜在性甲状腺機能低下症と流産
日常生活には差し支えない程度のごくわずかな潜在性甲状腺機能低下症でも、流産率が上昇する可能性が示唆されています。軽症の甲状腺機能低下症に対して甲状腺ホルモンの補充を行うことによって妊娠率や流産率が改善したとの報告があります。
不妊治療中の甲状腺治療の必要性
人工授精や体外受精を行って妊娠を考えている女性は、積極的に甲状腺機能異常の治療を行うことが提案されています。甲状腺と不妊に関する諸外国の研究や当院での集計結果をもとに、当院ではより安心で安全な妊娠・出産へ向け、甲状腺機能異常を見逃さないよう注意深く治療を行っています。